知ったる界隈2016/05/23 23:59

毎日のようにお座敷に御呼ばれの毎日。
誕生日が近いからと言って、
そう連日呑み惚けている訳にも行かず・・
でも今日もまたそんな日なのであります。

上野の山を登り勝手知ったる学校に出向きました。
先日も行っているし、そんなに変わってはいないので、
困りはしないのですが、
セキュリティの面はしっかりしてオートロックが掛かり
滅多に校舎には入れない、という建て前です。

色々と気に掛けてくださる先生に面会。
公演のことで様々意見交換などしながら、
学校の様子も窺うのが目的でした。

とは言え誰かに会うのがこの大学。
同級生先生3人に会い、
時間があったのでそのうちのO橋君の授業を見学。
管打楽器合奏というつまり吹奏楽ですな。
先日も思いましたが30年前の学生とは
今や比較にならない垢抜けた音色!
垢抜けたというのは物事を熟知している、
グローバルなサウンドという意味です。

これが良いのか悪いのかは別として、
子供の頃より情報に溢れた現代社会の申し子は
理想や目標も耳と目から的確でもあり、
ブレる範囲がとっても少ないのでしょう。
私たちの30年前と言ったら、
誰がブレているか正しいかを求めて、
発言し易い酒席という議会を設けて、
日夜討論をしたものですが、
結果なんて出りゃしなまま大喧嘩しながら
決定的なお手本を模索した時代であります。
でも皆個性的でありましたし、
音楽においても個性が抜け出ている事が最高という事は
大変狭小な人間関係での
グローバルな共通認識でもありました。

G大を後にして実家の両親と会食。
江戸中期から続く老舗さんです。

昨今、鰻っていう食ジャンルが最高級化して
蕎麦屋の暖簾を潜り居酒屋気分と同じく、
鰻屋でちょいと一杯なんて言う
下町気分からは遠くなっているものですから、
ちょいと嬉しくヒョコヒョコ出かけました。

酒も頂き、父とは永遠に尽きない芸術論・・・。

もう30年も同じ話ししている気がしますが、
演奏家商売と美術分野の創作者とは
向き合い方も違うものですので尽きぬ訳です。
同級生とも尽きないし、父とも尽きぬ。
どうして堂々巡りのスパイラルのような論議が
男共は好きなのか?俺らだけ、、いや私か(爆)。
齢八十をゆうに超えた先輩にムキにならぬよう、
そういうユトリも持てる歳になろうと自戒しながら、
母も交えて杯を酌み交わす。

私ゃメニュー見て「山独活」って読めて良かったと
少しは年齢重ねて見識もあると実感した。
しかし丁寧で美味しいね、老舗ってのは。

お重に収まった鰻さんに敬意を表しながら、
上野公園蓮池を眼下に見下ろし喰らう。

美味しゅうございました。
両親の食欲も酒量も私と変わらず、
そんな健康に感謝しながら後ろ姿を見送り、
私は夜の闇に再び消えたのでした。
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