50キロ2009/11/30 21:24

昨日の新聞でも記事になっていたが、
航空機への楽器の持ち込みが深刻になっている。
縦×横×高さ という容積の制限ならまだしも、
一辺の長さ制限があり、
弦楽器はヴァイオリンすらNG、
管楽器も、持ち込み条件満たす楽器は半分未満か。
持ち込めば追加料金が必要になり、
どんなにケアされた荷物室でも、不測の事態の場合、
責任は預ける側にあるので心配で預けられない。
この問題が、表面化してきた背景には、
昨今の経済不況、航空会社の業績悪化などがある。
実は以前から、似たような制限はあったのだが、
「楽器」という特殊な事情もあり、
航空会社は、持ち込み制限を強く要求しなかった。
だいたいは、目を瞑ってくれたのである。

記事にもあるが、大所帯で移動するオケ、
地方オケの都市部から呼ぶエキストラの
交通費の嵩み方を考えると、尋常ではない。
持ち込んで追加料金を払っても痛くないのは、
ホンノ一部のソリストだけであり、
大抵は、平均賃金だって低い演奏家なのである。
しかも、演奏家だけでなく、
レッスンを受けに地方から都市部に通う受験生、
演奏家も実家に帰省する時だって、
命の様に大事な楽器は肌身離さないものである。

音楽家ユニオンや、オケ連盟が申し入れをする様だが、
特例の扱いを作って欲しいものである。

しかもこの持込荷物には、10キロの重量制限もある。
書類、パソコン、着替えなどが入れば、
10キロを超える鞄を所有するビジネスマンも多い筈、
まぁ、預けられるならそれに越したことはないが・・・。

留学していた頃、日本とヨーロッパ往復が多く、
しかも引越しに近い荷物の量だったので、
飛行機に追加料金0で乗るのは至難でした。
しかし秘策と演技力でこのピンチを乗り越えていた。
預けられる荷物は厳格に20キロ。
ならば、重たいものは持ち込んでしまえとばかり、
ナイロンの軽いバッグに、書籍など中心に、
20キロ以上詰め込んで搭乗していた。
このナイロンバッグ、搭乗手続きでは見せずに、
搭乗するときに、手荷物として涼しい顔するのだ。
重たそうに運べば、即チェックで追加料金!
しかも、デカイ楽器も持っている・・・。
総重量50キロを、追加料金0で運ぶのだ。
重い荷物を席に置いて、楽器の所在を相談すると、
どの国のCAさんでも、必ず親切に対応してくれ、
後部座席などに置かせてくれた。

良い時代だったというべきか、
こんなことしていたから、日本は厳しくなったのか。
楽器が無い今の演奏生活でも気になる事態である。
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